棋士たちの肉声を伝える連載「囲碁よ」。伊田篤史九段(30)の物語。
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出身は三重県鈴鹿市です。サーキットのある街で、普段は閑散とした田舎なんですけど、日本グランプリが開催される時は急に人混みができるんです。実家からサーキットまでは車で15分くらい離れていますけど、F1の爆音は聞こえてきます。実際の観戦は……近すぎると行かないものですね(笑)。
父が碁のアマ五段で、小さい頃に教えられましたけど、小3の時にアニメの「ヒカルの碁」が始まって興味を持つようになりました。
近所のコミュニティセンターや公民館で「十星会」という囲碁サークルをやっていて、始める環境にあったこともありますし、みんなにかわいがってもらえるようになっていたことも大きかったと思います。
最初にプロになろうと思った…